隠岐諸島・海士町 崎地区

出会って、別れて、
また誰かに手渡すための農業。

しらいしファームは、崎みかんという小さな産地を再生しながら、WWOOFを通じて全国・世界から訪れる人たちと、言葉にしきれないものをやり取りする場所です。畑は、作物だけでなく、人と人の縁を育てています。

崎みかん再生プロジェクト発の柑橘
WWOOF JAPANホスト
海士町大字崎
THE PERSON

会社員から、みかん農家へ

「なぜ、この島根で、みかんなのか」――きっかけは、そんな素朴な疑問でした。代表・白石宗久は、もともと農家の生まれではありません。京都の半導体メーカーに約20年勤めたのち、家族の縁で海士町へ移り住み、その疑問に惹かれるようにして、農業未経験からこの畑を始めました。

  • 〜2012年ごろ京都の半導体メーカーに約20年勤務。会社員として働く。
  • 2013年海士町へ移住。地産地商課の臨時職員として「崎みかん再生プロジェクト」に参加、苗木を育て始める。
  • 2014年地域おこし協力隊として、崎みかんを海士町の特産品にする活動に取り組む。定植を本格化。
  • 2018年11月崎みかん、初出荷。会社員から数えて数年がかりの一歩。
  • 現在しらいしファーム代表、WWOOF JAPANホスト、海士町議会議員として、畑と暮らしと地域をつないでいる。
台所の食卓で、笑顔で乾杯する白石宗久
晩ごはんの食卓で。今日も、誰かと乾杯。

WWOOFを始めたのも、最初から決めていたことではありませんでした。ある日たまたま我が家に来てくれたWWOOFerさんが、飲み会の翌朝、段ボールの切れ端に「WWOOF ぜったい」と書き残していってくれたこと――それがなければ、今の自分はなかったと思います。

小さな違和感や気づきが、少しずつ形を変えながら今につながってきました。器用に計画してきたわけではなく、その場その場で選び取ってきた結果が、今のしらいしファームです。

思い悩み、苦しみながらも、生きてきた結果が今の自分だと思っています。これから先も、きっと色々な苦悩が待ち受けているはずです。それでも、その一つひとつが、人生の糧になっていくと信じています。

SAKI, AMA, OKI ISLANDS

崎という場所、海士町という島

島根県の本土から、フェリーでおよそ3時間。隠岐諸島の中ノ島にある海士町は、ひとつの島がそのままひとつの町になった、小さな島の町です。

崎地区は、その島の南の端にある集落です。かつてはみかんの産地として親しまれ、島の人たちの冬の楽しみでもありました。

この島には、船に乗ってやってきて、船に乗って帰っていく人たちがいます。来る人がいて、見送る人がいる。しらいしファームの毎日は、そのくり返しの中にあります。

海を望む崎の畑に、みかんの苗木を植えたばかりの頃
立ち上げの頃。海を望む崎の畑に、苗木を一本ずつ植えました。
島までの道のり
本土の港(七類港・境港)から、フェリーで約3時間、高速船で約2時間
隠岐諸島・中ノ島(島根県隠岐郡海士町)
畑のある場所
島の南端・崎地区と、町内のいくつかの畑
SAKI MIKAN

崎みかん、という小さな産地の続き

海士町の南端、崎地区はかつてみかんの産地として親しまれていましたが、時代とともに担い手を失っていきました。しらいしファームは、この「崎みかん」を絶やさずに次へつなぐことを出発点に始まりました。

2013年に苗木を育て、2014年に定植。地域おこし協力隊として畑に通い続け、2018年11月に初めての出荷にこぎつけました。今では崎地区だけでなく海士町内の複数の畑で、みかんと季節の野菜を育てています。

食べるものと、暮らす場所を切り離さない。それが、この島でみかんをつくる理由です。
実りの季節を迎えた、しらいしファームのみかん畑
実りの季節の、しらいしファームのみかん畑。
ENCOUNTERS & PARTINGS

WWOOFは、農作業を教える場ではない

しらいしファームには、国内外からWWOOFerが訪れます。草取りや収穫、出荷の手伝いを通じて農業を知ってもらうのが表向きですが、本当に起きているのは別のことだと感じています。

数日、あるいは数週間、同じ食卓を囲み、同じ畑に立つ。多くを説明しなくても伝わるものがある一方で、次の便で、その人は島を出ていきます。出会いには必ず別れがついてくる。そのくり返しの中で、言葉にならない以心伝心が生まれる瞬間があります。

畑の一角では、自給自足を支える野菜も育てています。ある時に来てくれたWWOOFerさんが蒔いた種を、次に訪れた別のWWOOFerさんが収穫し、自然の恵みとしてありがたくいただく。顔を合わせたことのない者同士が、土を介してつながっていく――しらいしファームは、そんな小さな循環型農業を実践する場でもあります。

畑という環境を用意すること。あとは、そこで何が育つかを急かさずに見守ること。それが、しらいしファームのWWOOFへの向き合い方です。

みかん畑で、WWOOFerと肩を組んで笑う白石宗久
海の向こうから来てくれたWWOOFerと、実りのみかん畑で。

雑草魂

環境が変わっても、失敗しても、人との出会いによって根を張りなおしていく。白石自身の人生から生まれた考え方です。

身土不二

食べるものと暮らす場所を切り離さない。畑の仕事は、島の暮らしそのものだと考えています。

また、帰ってくる場所

一度訪れた人と、その後もゆるやかにつながり続ける。島を離れても「ただいま」と言える場所でありたいと思っています。

滞在をご希望の方は、WWOOF JAPAN に会員登録のうえ、しらいしファームのページからご連絡ください。

A TREASURE

玄関の宝物

玄関には、大きな酒器が一つ置いてあります。直径二十センチ、深さ十センチほどの、お椀のような形をした器で、表には「宗久」と絵付けしてあります。陶芸が趣味だった婆ちゃんが、自分の手で焼いてくれたものです。

子どもの頃は、これが何のためのものか分かりませんでした。「なにこれ、婆ちゃん何に使うの」――正直、そのくらいにしか思っていませんでした。

今は、なんとなく分かる気がしています。自分の想いが形になって現れたなら、それを誰かに分けてあげなさい。婆ちゃんは、そう言いたかったのかもしれません。

今はもう酒を注ぐことはなく、ハンコ入れとして使っています。それでも、これは私にとって、何より大切な宝物です。
婆ちゃんが焼いた酒器。表に「宗久」の「宗」の字が絵付けされている

器は、満たすためだけにあるんじゃない。誰かに分けるためにあるのかもしれない。

TOWARD THE NEXT FIELD

これから育てたいもの

しらいしファームが目指しているのは、白石ひとりが農業を続けることではありません。WWOOFをきっかけに海士町を知った人が、いつかこの土地で何かを引き継いでいく。そんな循環をつくることです。

訳あって出荷しきれないみかんを、農業に関わる人たちの視点で新しい形に変えていく――それは、あくまで一つのきっかけづくりです。

大きな産地ではないからこそ、この土地で、この一瞬に生まれてきたみかんを、余すことなく活かしたい。売って終わりではなく、人と人とのご縁を大切にしながら、顔の見える関係の中で届けていきたい。それが、しらいしファームの切なる願いです。

そうした一つひとつの試みの先に、自分の看板がなくても地域の営みが続いていく状態をつくりたいと考えています。

畑 → 出会い → 関係人口 → 次の担い手へ。ゆっくりとした循環をつくっています。

ORDER SAKI MIKAN

崎みかんのご注文

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。もし、この畑のみかんを食べてみたいと思っていただけたら、畑から直接お届けします。崎地区の小さな畑で育ったみかんを、数量限定でお分けしています。ご注文の受付は11月1日(日)から。出荷は11月中旬以降、収穫の進み具合に合わせて順次お送りします。

崎みかん 3kg箱 1,650円税込 1kgあたり550円。はじめての方やご贈答に。
崎みかん 10kg箱 5,500円税込 ご家族で、冬のあいだたっぷりと。
ご注文の前に(サイズ・送料・お支払いなど)
  • サイズS・M・L・サイズ不問からお選びください
  • 数量1回のご注文は合計30kgまで
  • 発送郵便局(ゆうパック)・送料元払い。送料は商品代金とは別で、お届け先の地域によって異なります
  • お支払い銀行振込(前払い)。ご入金確認後に発送します。振込手数料はお客様ご負担です
  • お届け日本国内のみ。配達希望日・時間帯をご指定いただけます
  • ご注意青果のため、返品・返金はお受けできません
  1. フォームでご注文下の注文フォーム、またはFAX注文書でお申し込みください。
  2. 確認メールが届きます送料を含めた合計金額と、お振込先をお知らせします。
  3. お振込みご依頼人名は、ご注文者のお名前でお願いします。
  4. ゆうパックで発送ご入金を確認でき次第、崎から発送します。

FAX注文書をご希望の方は、メールでお気軽にお知らせください。PDFでお送りします。

CONNECT

畑を訪ねる、みかんを届ける

しらいしファームが大切にしているのは、人と人とのご縁をつなげていくことです。崎という小さな地区で過ごした時間は、訪れてくれた人の中に、きっと大きな記憶として刻まれていきます。そこから生まれる新しいつながりが、小さな世界の始まりとなり、また新しい物語を生んでいく――そんなきっかけになれたらと願っています。崎みかんのお問い合わせや、WWOOFでの滞在に関するご相談は、下記からお気軽にご連絡ください。